|
|
1950年代までは中ヨークシャー種と共に、一般に見られる品種でしたが、1960年代から大型種(ランドレース)の登場により、徐々に減少し、現在の一大産地である鹿児島においても、1970年には、肉豚出荷頭数の17%まで落ち込んでしまいました。
しかし、その肉質のよさが注目され、産直などによりその生産は支えられて、グルメブームを機に一躍脚光を浴びるにいたったのです。
需要が増大し、取引価格が高くなると、多くの養豚家がバークシャー種を飼うようになり、品種改良も進み、豚の体型も徐々に変わってきました。ニセ黒豚の大量出現などもあり、「昔のバークシャー」を要望する声も大きくなっています。その中で注目されているのが、「鼻ぺしゃバークシャー」です。昔からのバークシャーの産地は、鹿児島と並んで、埼玉の入間地域(入間黒豚)だったのです。サイボクも勿論バークシャーを飼っていましたが、時代の流れの中でその種は絶えてしまいました。1988年新たにバークシャーを導入しようとしたとき、昔の「鼻ぺしゃバークシャー」が絶滅しそうなことに気づき、急きょ鹿児島から、50頭弱の「鼻ぺしゃバークシャー」を導入し、現在まで育種改良を続けています。
|
|
では「鼻ぺしゃバークシャー」とはどんな豚でしょうか?
- 1.でかい顔
- 鼻は短く上に大きくしゃくれています。特に下顎のほうが上顎より長く、頭骨は短いです。なにより下顎の幅があり、その強健性を裏付けています。
- 2.胴長短足
- 胴は長く、四肢は短いです。体質の柔らかさが特徴です。
- 3.骨
- 管囲(人間で言う足首の辺り)は細く、骨の細さを表しています。
- 4.肉質
- バークシャーの特徴は何といってもその肉質です。一般に脂肪の質は飼料の影響が大きいと言われますが、それ以上に品種の特徴としての「脂肪の風味」がバークシャーにはあります。そして、細い筋繊維です。肉のキメが細かく、しゃぶしゃぶで食べたときには、バツグンの柔らかさとして感じることでしょう。
|
|
- ○現在のバークシャー事情
- バークシャー種はその良質な肉質から絶滅の危機から脱して、「黒豚」を支える人達の努力によって今日があります。しかし、残念ながら偽物の登場や生産性(産子数・発育・歩留など)を追求した改良によって、本来の肉質を損なっている「黒豚肉」も見受けられます。また一方で、「トウキョウX」にみられるように、バークシャーと他品種を組み合わせて、バークシャー以上の肉を作る品種改良も行われています。
- ○スーパーゴールデンポーク登場
- サイボクでは本来のバークシャー「鼻ぺしゃバークシャー」を十年以上の品種改良を行う一方で、バークシャーの肉の旨味を最大限に生かせる新品種「スーパーゴールデンポーク」も並行して研究開発してきました。おいしいお肉を安心して安定供給できる次世代の新品種だと思っています。
- ○鼻ぺしゃこぼれ話
- サイボクから鼻ぺしゃバークシャーを購入した養豚家のお客さんから一本の電話がありました。「豚が大きくならないんだよー」とのこと。さっそく行って良く見てみると、豚は餌を食べようと給餌器に顔を入れているのですが、鼻が短すぎるのか、顔がでかすぎるのか、顔がひっかかって、餌まで口がとどかなかったのです。大きな給餌器に変えて、豚はやっとお腹いっぱい餌を食べられました。一度は絶滅しかけた品種なので、この豚を飼うノウハウを生産者もメーカー(種豚・餌・機材など)もまだ勉強不足のところが多いと思います。バークシャーをおいしい「黒豚肉」にするには、品種だけではなく、技術も必要だという教訓となりました。
|
|
|目次|総合大学|種豚|
|種豚の改良|改良の特徴|大ヨークシャー|ランドレース|F1(ハイブリッド)|デュロック|バークシャー|
|
|
|