【おいしい食べ方】

【豚肉専門店が教える】いつものウインナーを肉汁溢れる絶品料理に変える『プリパリ焼き』

皆さんは今までウインナーを加熱調理した時に、こんな失敗の経験はありませんか?
  ・フライパンで焼いたときに焦がしちゃった!
  ・お皿に盛ってみたらすぐに皮がしわしわになってしまって、見た目のおいしさが半減!
  ・沸騰したお湯でボイル調理したら、ウインナーが破裂してしまった!

ウインナーって加熱しても色が変わる訳ではないし、加熱を止める「食べごろ」のタイミングってかわかり辛いですよね。
そこで今回は「ウインナーを最高においしい状態」で食べる調理方法(焼き方)をお教えします!
これをマスターすれば、「食べ慣れている定番ウインナー」も「初めて食べる超絶品ウインナー」になるかもしれません!


※火力が強くて破裂し、表面が火傷状態のウインナー。焼きすぎると表面が皴になるのも早く、食感にも影響が・・・。

 

目次

1 調理する前にチェック!そのウインナーはあらびき?絹びき(ほそびき)?

1.1 「あらびき」と「絹びき(ほそびき)」は何が違うの?

ウインナーには「あらびき」「絹びき(ほそびき)」があるのをご存知ですか?スーパーなどのお肉売り場にいくと、沢山のウインナーが並んでいますよね。

お店によっても仕入れに違いはありますが、恐らく「あらびき」のウインナーが多いと感じるのではないでしょうか?
「あらびき」に比べて知名度が低い「絹びき」は、表記していない場合のほうが多いようで、より「あらびき」の商品に目が行きやすくなっているようです。

さて、本題の 「あらびき」と「絹びき」の違いを説明しましょう。
ウインナーはお肉のミンチを主原料にした生地づくりからスタートしますが、その際に肉を粗く挽いたものを「あらびき」、挽目を細かくして挽いたものを「絹びき」と言います。

1.2 アツアツを食べられるシーンなら何と言っても「あらびき」

あらびきウインナー

あらびき」はこの「白い脂の粒が」加熱することで溶け出し、いわゆる「ジューシーな肉汁」になります。
なので、この「あらびきウインナー」を食べる際は、とにかく肉汁が命!肉汁が醍醐味なんです。
シーンとしても、お弁当に入れて冷めたものを食べるよりも、お家でアツアツを食べていただくのが絶対的におススメです。

「あらびき」は調理する際も、肉汁が命!です。焼くときにウインナーに切れ目を入れたり、加熱しすぎて破裂させてしまうと、肉汁がウインナーから出て行ってしまいます。
肉汁の中には、脂とお肉の旨味がたっぷり詰まっているので、それを逃すのは勿体無いですよね。

1.3 アツアツは勿論、お弁当など冷めてから食べるシーンなら「絹びき」が活躍!

絹びきウインナー

「絹びき」は、お肉と赤身も脂身も均等に混ざり合った状態(エマルジョン化)してるので、加熱しても「あらびき」ほどの量の肉汁は出ません。
しかしアツアツの状態だと、ふんわりとしたやわらかさや、ぷりっとした食感が醍醐味の「絹びき」。
是非あらびきウインナーとの食感の違いを比べて頂きたいです。

また、「絹びき」は冷めてもやわらかいという特徴があるので、「お弁当」などにもおススメです。

※もっちりとした状態に練り上げて「肉の旨味」を閉じ込めます。生地作りは赤身と脂身の配合バランスと職人の経験が重要です。

2 いつものウインナーを肉汁溢れる格別のウインナーに変化させる加熱方法「ブリパリ焼き」

さて、本題に入ります。
上記のような「あらびき」「絹びき」どちらのウインナーでも通用する絶品ウインナーの作り方をお教えしましょう。

今回お教えするのは「プリパリ焼き(蒸し焼き)」という方法です。
いろんなサイトでもウインナーを蒸し焼きにする方法は紹介されていますが、まずはやり方をおさらいしましょう!

2.1 必要なのはフライパンと水だけ!誰でも簡単に出来るウインナーの焼き方、「プリパリ焼き(蒸し焼き)」の手順!

必要なものはたった二つ
「フライパン」と、②「水」たったこれだけです!

【手順】
 ① フライパンにウインナーを並べて、水を30CC~50CCほど入れる。(油はいりません!)
 ② フライパンに蓋をして、中火で加熱。
 ③ 水分がなくなってきたら、箸で転がしつつほんのり焼き目をつけて、完成!

やりかたはとっても簡単ですよね?
フライパンでウインナーを蒸し焼きにする。
たったこれだけでただ焼いたりボイルするよりも、ウインナーが美味しくなるんです!

2.2 実は、ウインナーは「工場出来立ての瞬間」が一番美味しい

さて、なぜ蒸し焼きが最高においしい加熱方法かというと、「工場出来立ての味を再現している焼き方」だからなのです。

実はウインナーが最もおいしい状態は、工場で出来立ての瞬間。
筆者も一度だけスモーク室から出てきたばかりのあらびきウインナーを食べたことがありますが、
噛んだ瞬間口の中に肉汁と旨味がぶわっと駆け巡るような感覚は、今まで味わったことがなく、間違いなく今まで生きてきた中で「一番美味しいウインナー」でした。

その「工場で出来立ての瞬間」の味を再現するには、うまみを逃さずウインナー全体にまんべんなく温めることが大切です。
この「プリパリ焼き」はフライパン内で発生する蒸気によって、中がまんべんなく加熱されウインナー全体が膨らみます。
ここがこの調理法の最大のポイントです。

ボイルでは、沸騰したお湯でグツグツと茹でてしまうと、ウインナーの旨味が逃げる原因になりますし、
焼くときも火加減によってはウインナー全体が膨らむ前に焼き目が付く場合もありますので、調理のしやすさから言っても、蒸し焼きがおススメです!

2.3 スーパーで量販されているウインナーのほとんどは、すでに加熱されているので安心

この「プリパリ焼き」は水分が飛んだ段階で完成なのですが、
それだと「ウインナーにきちんと火が通って温まっているのかが判断できない!」とか、
「フライパンから取り出すタイミング分からない」という声が聞こえてきそうですね。

まず第一に、スーパーで量販されているウインナーは加熱後包装」のものがほとんど。
つまり、一度加熱して中心まで火が通っているウインナーを冷やして販売しているんです。
なので、冷蔵庫から取り出してすぐ食べても安全なものですから、ウインナーに火を通すことに対し過度に神経質にならなくても大丈夫です。

※ただし生ソーセージ・生ウインナーと呼ばれるような非加熱商品はそのまま食べられません。
 調理方法は各販売店・メーカーが明記している方法に従ってください。

2.4 【誰でも見分けられる】ウインナーの食べごろサインとは?

ウインナーの食べ頃を見極める方法もレクチャーしちゃいます!
さて、先ほどこんな説明をいたしましたね。

>「工場で出来立ての瞬間」の味を再現するには、うまみを逃さずウインナー全体にをまんべんなく温めることが大切です。
>この「プリパリ焼」はフライパン内で発生する蒸気によって、中がまんべんなく加熱されウインナー全体が膨らみます。
ここがこの調理法の最大のポイントです。
このウインナーの膨らみが食べごろサインなんです!
ウインナーが膨らむ・・・?どういう状態?とお思いの方のために、調理前と調理後の状態の比較写真をご用意しました!

※右側の加熱後のウインナーのつやつや感。ウインナー全体が膨らんでいる証拠です。

3 まだまだある!ウインナーの種類によっておススメの「おいしい食べ方」とは?

今回の記事では「ウインナーを最高においしい状態」にする加熱方法として「プリパリ焼き(蒸し焼き)」を紹介しました。
冷蔵庫にあるウインナーの大半はこの焼き方で美味し召し上がれますが、ウインナーのタイプによってもおススメの調理方法は違ってきます。
直接フライパンで焼く「焼き」やお湯での「ボイル」の調理のポイントや注意点をまとめました。

3.1 「チョリソー」、「牛肉入りウインナー」、「チーズ入りウインナー」は、フライパン焼き!

唐辛子などの香辛料で辛みを付けた「チョリソー」、牛肉と豚の合びきの「牛肉入りウインナー」、
チーズが入った「チーズ入りウインナー」はフライパンで焼いていただくのがおススメです。
上記のような濃い目の味のウインナーや歯ごたえのあるは、フライパンで焼くことでより旨味が凝縮されます。
しっかり焼き目をつけたウインナーは香ばしさも加わり、冷たいビールと最高の組み合わせになるはずです。


※焼くことで「旨味」や「香り」が凝縮

3.2 白いウインナーは「ボイル」して釜揚げ風、もしくは弱火できつね色に焼く。

スーパーや専門店で、白いウインナーやソーセージを見たことがありませんか?
白いウインナーは加熱した後、最後にスモークしないで作られるため、燻製の茶色い色やスモーキーな香りが付いていません。
そのため非常に皮が弱く、強火でボイルしたり、強火で焼いたりすると、すぐにぷちっと皮が破れてしまいます。
そんなデリケートな白いウインナーは急に加熱しすぎないのが調理のポイント。

3.2.1 「ボイル」して釜揚げ風に仕上げる

お鍋にたっぷりのお湯を沸かし、沸騰したら火を止めウインナーを入れて蓋をします。
3分ほど置いたら、ウインナーとお湯を器へ。釜揚げうどんのようにして食べるのでここでは釜揚げ風と
書きましたが、ドイツのミュンヘンのでも伝統的な「白いソーセージ」も、このように提供されます。
マスタードをつけるととてもおいしいですよ!

3.2.2 弱火でほんのりきつね色に仕上げる

弱火でゆっくりと温めたフライパンにウインナーを並べ、そのままじっくりと弱火~中火の間くらいの火力で焼き、表面にほんのりときつね色の焼き目が付いたら出来上がり。
このきつね色がポイントです。
柔らかい食感と優しい味わいに香ばしさが加わることで、より一層おいしくお召し上がりいただけます。

※破裂させないように加減しながら、しっかりときつね色の焼き目をつけていただくのがおススメ。

4 【豚肉専門店が教える】いつものウインナーを肉汁溢れる絶品料理に変える『プリパリ焼き』のまとめ

・ウインナーは、「工場出来立ての瞬間」が一番美味しい。
・「工場出来立ての瞬間」に戻すには、フライパンに水をさして加熱する「プリパリ焼き(蒸し焼き)」がおススメ!
・蒸し焼きをすることで、ウインナー全体が膨満して、最高においしい状態に。
・スーパー量販のウインナーは加熱後包装なので、熱の通し具合の心配はありません。
・ウインナーの種類によっては「蒸し焼き」以外の調理方法がおススメの場合も!

ちょっとマニアックなお話もいたしましたが、いかがでしたか?
いつものウインナーを絶品に変える!フライパン一枚で出来る裏ワザ「プリパリ焼き」。
とっても簡単なので、是非ご家庭でもお試しくださいね!