大人向けの読み物

ぶたの本

豚は太るか死ぬしかない

著者 ウォーレン・マーフィー
訳者 田村義進
出版社 ハヤカワ文庫
価格 485円税別
 「豚は太るか死ぬしかない」の意味を正確に解釈すると「子豚は太るしかない、大豚は死ぬしかない」ということになるだろうか。豚というのはもちろん犯人のことである。「子豚」の犯人とはなにか、もちろん犯罪の程度が小さいということもあるが、むしろその食欲にたとえて欲が小さいということだろうか。では「大豚」とは、もちろん欲のはった人間のことである。人間あまりにも欲を出しすぎると墓穴を掘ることになりかねないのである。
 この本は1986年のアメリカ探偵作家クラブ賞受賞作であり、純然たるミステリーである。しかし、筋書きも単純で本物のミステリーファンからすると物足りないかも知れない。ではなぜ受賞作なのだろうか。そこがアメリカのアメリカたるところ、アメリカンジョーク満載の作品なのである。だから、アメリカ人でないと分からない微妙なジョークのおもしろさがあるのだろう。私もどこがおもしろいのか理解に苦しむところが多々あった。主人公の恋人はミチコという日本人で、本文にも何人も日本人が登場するが、アメリカ人にとって日本人はタコばかり食ってる変な人種と思われているところが興味深い。

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