1.　豚トロとは

1-1. 豚トロは頬から肩のネックの部位

豚トロとは、豚の頬からネック（首）のところの部位のことで、霜降りが特徴です。

豚を表すporkと、マグロのトロのような印象から別称「ピートロ」とも呼ばれています。

農林水産省が定めている「食肉小売質基準」には正式な部位として定義されていないため、

販売店によって定義が異なる場合があります。

実は「豚トロ」とは主に焼肉店で呼ばれている名称です。

1-2. 豚トロは豚1頭からわずか300ｇしかとれない希少部位

豚トロは、豚１頭（約110kg）あたりわずか300gしかとることができない、非常に希少な部位です。

よく希少と言われる部位の豚ヒレが1頭あたり1kgなので、

比較するといかに希少かがよく分かります。

1-3. 豚トロのカロリーは386kcal（100gあたり）

豚トロのカロリーは100gあたり386kcalです。脂身が多い部位のためカロリーは高めです。

一般的にも脂身が多いと認識されているバラ肉が100gあたり386kcal 、と同じなので、

他の部位と比べてやはりカロリーは高いということがわかります。

1-4. 豚トロの脂質は36ｇ（100gあたり）

豚トロの脂質は100gあたり36gもあります。

脂身中心の部位であるため、脂質を抑えたい人には注意が必要な部位です。

1-5. 豚トロの糖質は0ｇと糖質制限の人にはうれしい部位

豚トロの糖質は100gあたり0gです。

豚肉自体が糖質をほとんど含んでいません。糖質が気になる方には豚肉はおすすめです。

1-6. 豚トロの栄養素

栄養豊富な豚肉の部位である豚トロ。

豚肉は、たんぱく質とビタミンB1を多く含むことで知られています。

1-6-1　血や筋肉を作る たんぱく質

豚肉には血や筋肉など体を作るたんぱく質が豊富に含まれています。

たんぱく質はアミノ酸でできていますが、

豚肉のたんぱく質には体内で生成できない必須アミノ酸も9種類すべて含まれていて吸収率も高く、

良質なたんぱく質源といえます。

1-6-2　糖質をエネルギーに変える ビタミンB1

豚肉にはビタミンB群が豊富に含まれていて、

特にビタミンB1の含有量が食品の中でもトップクラスです。

ビタミンB1は、米やパンなどに含まれる糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。

摂取することで疲労回復や免疫力UPも期待できます。

1-6-3　善玉コレステロールを増やすステアリン酸

豚肉の脂肪の中には善玉コレステロールを増やす働きのあるステアリン酸が含まれています。

血管内のコレステロールを取り除き、動脈硬化を予防してくれる効果があります。

また、ステアリン酸は飽和脂肪酸の一種で、抗酸化作用があります。

エネルギーになったり、エネルギーを蓄えたりする飽和脂肪酸は、不足すると疲れやすくなることもあります。

1-6-4　悪玉コレステロールを減らすオレイン酸

豚肉の脂肪の中にはオレイン酸も多く含まれています。

オレイン酸は発がんを抑制して、生活習慣病を予防する効果のある栄養素です。

悪玉コレステロールを減らす働きもあるので、健康維持効果も期待できます。

1-6-5 その他栄養素

ほかにも、血液の赤血球に含まれるヘモグロビンの原料となる鉄分、

ヘモグロビン生成に関わるビタミンB12、

皮膚や粘膜の健康維持を助けるナイアシン、といった栄養素があります。

＜参考＞豚肉の部位ごとの特徴が気になる方へ

▽豚肉の部位の特徴とおすすめメニュー。もう悩まない！おいしく調理する方法を解説！

https://www.saiboku.co.jp/meatpialife/豚肉部位/

2．豚トロの美味しい焼き方

豚トロは霜降りで脂っぽくやわらかそうな見た目ですが、

焼くと歯応えのある食感で、意外にもさっぱりと食べられます。

2-1 豚トロはミディアムレアがおススメ　※

豚トロの美味しい焼き加減は、ミディアムレアがおすすめです。

表面をしっかり焼きつつ、中はしっとり感を残しましょう。

焼きすぎると脂が落ちて煙も出やすくなるので注意してください。

※豚肉を生で食べるのは厳禁です。必ず中心部まで火を通してから食べましょう。

2-2　カロリーが気になる方はカリカリになるまで焼く

豚トロは脂身が多いため、カロリーを抑えたい場合は焼いて余分な脂を落とします。

塩コショウして、脂をひかずにフライパンで焼きましょう。

豚トロからどんどん脂が出てくるので、キッチンペーパーで拭き取ってください。

カリカリになるまで弱火でじっくり焼きましょう。ベーコンと同じ要領ですね。

3．豚トロの美味しい食べ方

豚肉専門店おすすめの、豚トロの美味しい食べ方をご紹介します。

焼いた豚トロと相性抜群の調味料がポイントです。

3-1　わさび醤油

お肉にわさび、と聞いてもちょっとピンとこない方もいるかもしれません。

実は、この組み合わせってとても相性がいいのです！

カリッと焼いたジューシーな豚トロを、さっぱりとしたわさび醤油で食べてみてください。

脂が多い豚トロでも、わさびの香りとともに後味さっぱりと美味しく食べられます。

3-2　柚子胡椒

柚子胡椒は、乾燥させた柚子の皮を細かく刻んだものに、

生の青唐辛子と食塩を加えてすり合わせた九州発祥の調味料です。

柚子の爽やかな香りの中に、ピリッと効いた辛味を感じるのが魅力のひとつです。

ちなみに柚子胡椒といっても「胡椒」は入っていません。

豚トロの脂の甘みに、爽やかな柚子胡椒の辛味がアクセントとなり、

ビールなどのアルコールがすすむ美味しさです。

3-3　塩

シンプルに食べたいなら、なんといっても塩！

海塩よりも岩塩がおすすめです。

海塩は肉のタンパク質を凝固させる性質を持つ「にがり」が含まれていうので、

肉を堅くしてしまう原因となるからです。

焼く前のお肉に塩をふると、浸透圧の関係でお肉から水分が出てしまうので、

豚トロそのものの味や食感を楽しみたいときの調理にはあまり向きません。

食べる直前に、粗めの岩塩をふるのがおすすめです。

3-4　レモン

レモンを絞りかけるのものおすすめです。

爽やかな風味と酸味が加わり、豚トロの脂っぽさを軽減させる効果があります。

レモンに含まれる主な栄養素には、ビタミンC、ビタミンE、クエン酸があります。

クエン酸には、豚トロのように脂分の多い食材の消化吸収を穏やかにする作用があります。

ゆっくりと消化して吸収することで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

そうすることによって脂肪に変わる量も減り、肥満防止に一役買う効果も期待できます。

3-5　塩だれ

たれで食べるなら、醤油だれや胡麻だれなどよりも、塩だれがおすすめ。

甘みが少なく、あっさりさっぱりとお肉本来の美味しさを楽しめるのが塩だれの特徴です。

特に脂が多くジューシーな豚トロをさっぱりと食べたいときにおすすめです。

余談ですが、塩だれは焼肉だけではなく万能調味料として活用できます。

生キャベツにかけたり、唐揚げや焼きそばに下味をつけたりするときなどにも大活躍します。

3-6　ネギ塩だれ

白ネギをみじん切りにし、ごま油、塩、こしょうなどで和えたものがネギ塩だれ。

塩だれと同じく、万能調味料ともいわれます。

作り方がシンプルで家でも作りやすいため、常備しているという人も少なくないようです。

ネギ塩だれはそれだけで旨みがあるので、

焼いた豚トロにのせて食べれば、白いごはんのお供に最適です。

豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれています。

ビタミンB1は、白米などの主成分である糖質の代謝に不可欠な栄養素で、

不足すると疲労物質(乳酸)が貯まりやすくなります。

そのビタミンB1は、ネギやにんにくに含まれるアリシンと結合すると

効果的に接種できると言われています。

4．豚トロの保存と解凍方法

美味しいお肉を買ったら美味しいまま保存して食べたいですよね。

豚肉の消費期限は、生のままでは加工日から約3日間です。

できるだけ鮮度を保って保存しましょう。

4-1. 冷蔵保存

おすすめの冷蔵保存の方法を4手順でお伝えします。

4-1-1　買ってきたら新鮮なうちに、できるだけ早く冷蔵！

4-1-2　購入時の容器から取り出し、空気を入れないようにラップで包む。

4-1-3　さらに密封保存袋に入れ、空気を抜きながら密封する。

4-1-4　冷蔵庫で保存。あればチルド室、パーシャル室などの特定低温室がおすすめ。

4-2. 冷凍保存

消費期限内に食べきれない分は冷凍が必須になります。

豚肉を冷凍すると、約30日間保存可能です。

こちらもおすすめの冷凍保存の方法を4手順でお伝えします。

4-2-1　買ってきたら新鮮なうちに、できるだけ早く冷凍！

4-2-2　購入時の容器から取り出し、空気を入れないようにラップで包む。

4-2-3　さらに冷凍用の密封保存袋に入れ、空気を抜きながら密封する。

4-2-4　平らな状態で冷凍庫に入れ、急速冷凍。

※急速冷凍の機能がない場合は、熱伝導のよい金属製のトレイにのせて入れると良いです。

冷凍期間が長くなると肉の風味が損なわれてしまい、冷凍焼けにもなるため、

できるだけ早めに食べるようにしましょう。

4-3. 解凍方法

折角購入した美味しいお肉を美味しく食べるためには、解凍の方法も重要となります。

コツを知っているだけで味や食感に差が出ますので、以下の方法がおすすめ！

4-3-1　冷蔵庫解凍　おすすめ

半日から1日と少し時間がかかりますが、

ゆっくり解凍することでお肉全体が均一に同じ温度で解凍されていきます。

肉汁が漏れにくいため風味も逃がしません。

4-3-2　氷水解凍

冷蔵庫解凍よりも早く、１時間半～３時間ほどで解凍できます。

ただし、15℃を超えると細菌の繁殖が始まるので、様子をみて氷を追加し、

温度が上がらないように注意が必要です。

4-3-3　流水解凍

時間がない場合に使いたい方法です。

また流水解凍は、中心が凍ったままで周囲は解けている「半解凍」の状態にするのが簡単です。

ただし寒い季節なら大丈夫ですが、夏など水の温度が高い季節では、

お肉の表面温度が急激に上昇するため、鮮度が落ちてしまいます。

５．豚肉専門店がおススメする豚トロのレシピ

5-1. 焼き肉

塩トロは粒が粗めで旨みのある塩を食べる直前にかける！

▼「旨い焼肉の焼き方」　肉のやまひら

http://www.e-29yamahiro.com/archives/71

5-2. 角煮

お箸で切れるやわらかさに！

▼「豚トロ角煮」　圧力鍋レシピ集

http://cjr.yu-yake.com/butaniku/tontorokakuni.html

5-3. ラーメン

スープに豚トロを加えてガッツリ！青ねぎで後味さっぱり！

▼「青ねぎたっぷり豚とろつけ麺」　東洋水産

https://www.maruchan.co.jp/recipe/2011/04/post_160.html

5-4. 豚トロ丼

近江牛専門店のレシピ！

▼「豚トロ丼」　松喜屋

豚トロ丼

5-5. おつまみ

さっぱりとした味付けでお酒がすすむ！

▼「おつまみに　豚トロのネギ塩炒め」　クラシル

https://www.kurashiru.com/recipes/d4f9b490-7395-4993-b121-a54e44f3aac4

６．豚肉専門店が教える美味しい豚トロのお店

6-1. 焼肉

6-1-1　焼肉 味楽来　（中野区）

▼人気のホルモン焼肉のお店で豚とろ！

https://yakiniku-miracle.owst.jp/

＜トントロ　480円＞

豚の首筋肉は、脂タップリでプリプリした食感。

塩か山葵醤油がオススメです。

6-1-2　亀戸ホルモン　（有楽町）

▼炭火焼き、新鮮ホルモンのお店で豚とろ！

https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131202/13008099/

＜トントロ　640円＞

1頭からわずかしかとれない希少部位！

6-1-3　ソウル苑　（品川区）

▼焼肉が美味しい韓国料理店で豚とろ！

https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131403/13158081/

＜豚トロ（ネック）　600円＞

わさび醤油で頂くトントロ。

6-2.　串

6-2-1　豚しゃぶ・やきとん　森の酒場 隠豚　（新宿区）

▼豚トロのやきとん串！

https://inton-shinjukunishiguchi.com/

＜豚とろ　220円＞

やきとん串で食べる豚とろ！

6-3. 丼

6-3-1　活豚料理 inton　（新宿区）

▼豚しゃぶとやきとんのお店でトントロ丼ランチ！

https://shinjuku-inton.com/

＜石焼ねぎ塩トントロ丼　980円＞

お好みでレモンとゆずこしょうをかけて食べる！

6-4. 手軽に豚トロを食べられるお店　（チェーン店）

6-4-1　セブンイレブン　（全国・通販）

▼「豚とろ焼き」電子レンジでチンするだけで食べられる！

https://www.sej.co.jp/products/a/item/251438/

＜豚とろ焼き　238円＞

黒胡椒がきいた塩だれ味！

6-4-2　オリジン弁当（関東、関西地方）

▼「豚とろ焼肉丼～ネギ塩レモンだれ～」

https://www.toshu.co.jp/origin_bento/area_east/detail11429.html

＜豚とろ焼肉丼～ネギ塩レモンだれ～　460円＞

脂がのった肉をさっぱり食べられる！

6-5. ラーメン

6-5-1　鹿児島ラーメン豚とろ　（鹿児島県・通販）

▼「豚とろラーメン」やわらかく煮込んだ豚とろチャーシュー！

https://www.tontoro-ramen.com/

＜3食セット【WEB限定 厚切りチャーシュー（1斤）入り】豚とろラーメン　2,550円＞

濃いめでコクのある豚骨スープに豚とろの脂がとけ込んだ至福の一杯！,

※メニューや価格は記事作成時点(2022/02/01)の内容となります。

７．まとめ

豚トロを食べたくなってきましたね。

豚トロのことを詳しく知ったあとでは、今度食べるときに一層美味しく感じるかもしれませんよ。

• 豚トロとは、豚の頬からネック（首）のところの部位のこと。
• 豚トロは、豚1頭からわずか300ｇしかとれない希少部位。
• 豚トロのカロリーは386kcal（100gあたり）。
• 豚トロの脂質は36ｇ（100gあたり）。
• 豚トロの糖質は0ｇと糖質制限の人にはうれしい部位。
• 豚トロは、たんぱく質、ビタミンB1など栄養豊富。
• 豚トロはミディアムレアで焼くのがおススメ。※
• 豚トロのカロリーが気になる方はカリカリになるまで焼く。

調べると、豚トロを食べられるお店は結構たくさんあります。

焼肉屋さんに行ったときに豚トロがあれば、ぜひ注文して味わってみてください。

引用

豚肉大百科　　https://fm-brio.com/hpgen/HPB/entries/17.html

カロリーSlism　https://calorie.slism.jp/111123/

【管理栄養士監修】豚トロのカロリーや糖質と栄養素　https://www.olive-hitomawashi.com/column/2020/09/post-11822.html

文部科学省　食品成分データベース　https://fooddb.mext.go.jp/