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豚が沐浴する国著者 田村旅人出版社 新潮社 価格 1,400円税別 |
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著者は再び訪れたビルマの首都ヤンゴンでどしゃぶりの雨に迎えられ、つい愚痴ってしまう。 「去年も泊まった街中の安宿の、棺桶みたいな部屋で、私は自問した。なんでまたこんなパッとしない所に今年もやってきたんだろう、と。さっぱり気持ちが浮き立たない。若い頃初めて海外に出た時の、あの全身の細胞が沸き立つような解放感は、もうカケラもなかった。ある意味で、私は惰性で旅に出ていた。ただ日本での息苦しい生活から逃れたいがため、私は旅に身をまかせているのだった。四十をとうに過ぎて、家も金もなく、もちろん地位も名誉もない、ただのプータロー。吹けば飛ぶような中年男。そのくせプライドだけはしつこいかさぶたのように自意識に張りつき、鬱屈した自己主張をやめない。俺はプータローだが、ただのプータローではない。……それでも私は、約一年間の汗みずくの労働と窮屈な寮生活にともかく耐えて、資金を作り、カメラも二台買った。フィルムも百本ほど用意した。そうして、ともかく出発した。……」 そしてこの本をまとめたのである。写真満載のうらやましい旅行記である。 | |
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